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リース見積診断

リース料の計算と逆算見積の月額や料率から、実質金利とリース会社の利益まで

物件価額・期間・金利を入れればリース料を。見積の月額やリース料率を入れれば、実質年率(金利)を。残価が設定されていた場合の金利まで、その場で分かります。

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この計算の前提

リース料は、リース会社が立て替えた物件価額を、期間中に金利をつけて回収する仕組みです。構造としては元利均等返済の住宅ローンとほとんど同じで、違いは「満了時に残価を残せる」点にあります。

使っている計算式

毎月の期末払い(1回目の支払は開始から1か月後)・元利均等を前提に、残価を割り引いて差し引いた元本を期間で按分しています。

  • 月利 = 年利 ÷ 12
  • 回収すべき元本 = 物件価額 − 残価 ÷ (1+月利)^期間
  • 月額(元本+金利)= 元本 × 月利 ÷ (1 − (1+月利)^−期間)
  • その他費用(月額)= 物件価額 × その他費用率 ÷ 12
  • リース料率 = 月額リース料 ÷ 物件価額
  • 実質年率(金利)= 月額を期間中払い、満了時に残価を返すと、物件価額とちょうど釣り合う月利 × 12

リース料率は、リース会社が見積書で使う指標です。物件価額に対する月額の割合で、たとえば1.8%なら500万円の物件で月額9万円という意味になります。見積書を比べるときは、金額ではなく料率や金利で並べると条件の差が見えます。

その他費用率について

固定資産税、動産総合保険料、管理手数料をまとめて年率で概算しています。実際には物件の種類と所在地で変わり、償却資産税は年ごとに評価額が下がるため定率ではありません。ここでは目安として一定率で置いています。正確に分けたい場合はExcel版が対応しています。

この計算に含めていないもの

  • リース会社の利益の分離。無料版では、年利や実質年率(金利)の中に含まれた形で出します。
  • 消費税の取扱い。すべて税抜前提です。
  • 再リース料、中途解約時の規定損害金。
  • 税務上の損金算入時期、所有権移転外リースの償却方法。

リース会社の利益は、どこに入っているか

リース料の見積書を見て、「これは高いのか安いのか」が判断できないという声をよく聞きます。理由は単純で、見積書には物件価額と月額リース料しか書かれていないからです。その差額の中に何が入っているかは、書かれていません。

差額の中身は、大きく4つです。

要素中身見積書での見え方
資金コストリース会社が銀行から借りる金利表に出ない
スプレッドリース会社の利益表に出ない
固定資産税・保険料所有者として負担するもの「その他費用」として一部表示されることがある
管理コスト与信審査・事務・回収の手間表に出ない

このうち、借り手にとって交渉できる余地があるのはスプレッドです。資金コストは市場金利で決まるので動きませんが、スプレッドはリース会社の判断で決まります。つまり「いくら乗っているか」が分かれば、交渉の材料になるということです。

上の「金利を逆算する」に、見積の月額を入れてみてください。出てくる実質年率(金利)が、そのリース取引の実質的な金利です。そこから、あなたの会社が銀行から借りるときの金利を引いた差が、おおよその税金・保険・管理コストとリース会社の利益の合計になります。

逆算の手順

  1. 見積書から物件価額月額リース料(またはリース料率)リース期間を取る
  2. このツールの「金利を逆算する」に入れる
  3. 出てきた実質年率(金利)を、自社の銀行借入金利と比べる

Excelで同じ計算をするなら =RATE(期間,-月額,物件価額)*12 です。500万円・60か月・月額95,000円なら、=RATE(60,-95000,5000000)*12 で5.28%になります。

実質金利が銀行借入より3〜4%高い程度なら、事務負担や固定資産税の代行を含めて妥当な範囲です。そこから大きく離れている場合は、内訳の説明を求める根拠になります。「なぜこの金額なのか」と聞くより、「実質金利が何%になっている」と伝えたほうが話が早く進みます。

リース料率で見積書を並べる

複数社から見積を取ったとき、金額だけで比べると誤ります。物件価額も期間も微妙に違うことが多いからです。リース料率(月額 ÷ 物件価額)に直すと、条件が揃います。

たとえば次の3社の見積は、金額を見ただけでは順位が分かりません。

物件価額期間月額リース料率実質年率(金利)
A社500万円60か月92,000円1.840%3.96%
B社500万円72か月79,000円1.580%4.34%
C社480万円60か月89,500円1.865%4.51%

月額だけを見るとB社が最も安く見えますが、期間が12か月長いだけです。総支払額はB社が568.8万円で最も多くなります。料率も、期間が違うものを横並びにすると比較になりません。

期間や物件価額が違っても同じものさしで比べられるのが、実質年率(金利)です。この3社では、月額がいちばん高いA社が3.96%で最も有利で、総支払額がいちばん少ないC社は4.51%と最も割高です。

そのうえで、期間の長さによる資金繰りの余裕は別に評価します。期間が長いほうが月々は楽になりますが、支払総額は増えます。どちらを取るかは資金繰りの問題であって、有利不利の問題ではありません。

残価が設定されている見積の読み方

見積書に残価の記載がなくても、月額を決めるときに、満了時の物件の価値(残価)があらかじめ差し引かれていることがあります。残価の金額を利用者に知らせないこの方式を、クローズ残価(クローズドエンド)といいます。

残価の分だけ月額は下がるので、見積は割安に見えます。ただし満了時には物件を返すため、金利に直すと見え方が変わります。500万円・60か月・月額95,000円の見積なら、残価なしで実質年率(金利)5.28%。同じ月額でも、残価が10%設定されていれば8.16%、20%なら10.60%です。

金利を逆算する」の結果にある残価のバーを押すと、残価ごとの金利を確かめられます。残価が設定されているかどうかは、月額だけで比べる前に確認しておきたい点です。残価の決まり方と満了時に起きることは、リースの残価は誰が決め、誰が損を被るのかで整理しています。

残価の置き方で、月額は大きく動く

残価とは、リース期間が終わった時点で物件に残ると見込む価値のことです。残価を高く置くほど、期間中に回収すべき元本が減るので、月額は下がります。

500万円の物件を60か月・年利3%でリースする場合、残価をどう置くかで月額はこう動きます。

残価回収すべき元本月額(概算)
0円500万円約89,800円
50万円約457万円約82,100円
100万円約414万円約74,400円

月額が安いという理由で残価つきを選ぶときは、満了時にその残価をどう処理するかを先に確認してください。買い取るのか、再リースするのか、返却するのか。返却する場合の原状回復の範囲も、契約書に書かれています。ここを確認せずに月額だけで決めると、満了時に想定外の支出が出ます。

この計算が向いている場面、向いていない場面

向いている場面

  • 複数社の見積を、同じものさしで並べたいとき
  • 提示された月額の実質金利を知りたいとき
  • 購入とリースのどちらにするか、資金コストの面から比べたいとき
  • 社内稟議で「なぜこの金額が妥当か」を説明する必要があるとき

向いていない場面

  • 会計処理そのものを決めたいとき。それはファイナンス・リースかどうかの判定が先です(FO判定ツール
  • 税務上の損金算入時期を確定させたいとき。所有権移転外ファイナンス・リースの取扱いは、契約内容によって変わります
  • 中途解約時の規定損害金を見積もりたいとき。契約書の条項によります

2027年4月からの新リース会計基準

2027年4月以降に開始する事業年度から、新しいリース会計基準が適用されます。これまでオフバランスだったオペレーティング・リースも、原則として資産と負債の両方に計上されることになります。

影響を受けるのは会計処理だけではありません。負債が増えるので、自己資本比率が下がり、有利子負債も増えます。銀行の財務制限条項に抵触しないか、格付けが下がらないかを、今のうちに数えておく必要があります。

何をいつまでに数えるべきかは、新リース会計基準はいつから|2027年4月に全部オンバランスで整理しています。

実務メモ|見積を取るときに一緒に聞くこと

金融機関で法人営業をしていた頃、リースの見積を取る会社を数多く見てきました。金額を比べるだけで終わっている会社が多く、次の4つを聞いておくかどうかで、後から出てくる差が大きいと感じています。

  • 中途解約の規定損害金の計算方法。「残リース料の全額」なのか「一定の割引後」なのかで、途中でやめたときの負担が変わります
  • 固定資産税と保険料が月額に含まれているか。含まれていない見積と含まれている見積を並べると、含まれているほうが高く見えます
  • 満了時の選択肢。再リース料は年額いくらか。買い取り価格はいくらか
  • 物件の入替時の扱い。期間中に機器を更新したい場合、残債はどう処理されるか

いずれも見積書には書かれていませんが、聞けば答えてもらえます。金額の交渉より、この4つを確認するほうが実際の損得に効くことが多いというのが、見てきた印象です。

無料版・Excel版・note版の違い

リース料と金利の計算は、すべて無料で何度でも使えます。目の前の見積の中身を知りたいときはリース見積診断(グラフ+Excel)を、数式を自分で動かしながら何件も試したいときはnote版を選んでください。

無料(このページ)リース見積診断(1,000円)note版(5,000円)
分かることリース料、実質年率(金利)、残価の影響リース会社の利益、割賦・銀行借入・現金との比較、途中解約の残り、年ごとの経費と税金リース会社の利益、現金・銀行借入との比較、年ごとの税金と償却(割賦との比較と、動かせるグラフはなし)
このページこのページのグラフ+Excel 7シート(数式なし)数式入りのExcel
使える件数何度でも見積1件(最初に開いてから24時間)何件でも
向いている人まず目安を知りたい目の前の見積を、稟議や交渉に使いたい見積を比べ続ける人、リース会社の営業・企画
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ご利用にあたって

算出される金額は一般的な計算式による概算であり、実際のリース会社の見積額とは異なります。契約条件、物件の種類、与信状況によってリース料率は変動します。

本ツールの利用により生じたいかなる損害についても、作成者は責任を負いかねます。実際の契約判断は、見積書と契約書の内容をご確認のうえ行ってください。