ホーム / ツール / 金利

返せる住宅ローンのものさし

借りる側と預ける側、同じ「金利」でも効き方がまるで違います。返済は複利で膨らみ、預金は税とインフレで目減りする。その差を数字で確かめられます。

入力内容は送信されません。すべてブラウザの中で計算します

借入条件を入力する

金額は円、年利は%で入力してください。

monthly payment

—

    元金と利息の内訳

    返済額のうち、どれだけが元金の返済に回っているか。序盤は利息の割合が高くなります。

    元金の返済 利息の支払い 残高(右軸)

    繰上返済の効果

    まとまった資金を返済に回したとき、利息がいくら減るかを試算します。実行時期が早いほど効果は大きくなります。

      関連ツール

      賃貸vs持ち家の比較のものさし

      ここで出た返済額は、住宅にかかる費用の一部にすぎません。固定資産税、修繕費、団信、そして相続まで含めた生涯コストで賃貸と比べるなら、こちらのツールが対応しています。

      生涯コストで比べる →
      関連ツール

      個人向け国債のものさし

      余ったお金を繰上返済に回すか、運用に回すか。金利が動いたとき、国債や債券の値段がどう動くのかを、同じ画面で並べて確かめられます。ローンの金利と、運用の利回りを同じものさしで見るためのツールです。

      金利の動きを見る →

      この計算の前提

      住宅ローンの計算式

      • 月利 = 年利 ÷ 12(日本の金融機関で一般的な方式)
      • 元利均等の毎月返済額 = 借入額 × 月利 ÷ (1 − (1+月利)^−回数)
      • 元金均等の毎月元金 = 借入額 ÷ 回数、利息はその月の残高 × 月利

      元金均等のほうが総利息は少なくなります。元金の減りが早いぶん、利息の計算基礎が早く小さくなるためです。ただし初回の返済額が重く、審査で通りにくくなることがあります。

      繰上返済の2つのタイプ

      期間短縮型は毎月の返済額を変えず、返済期間を縮めます。返済額軽減型は期間を変えず、毎月の返済額を下げます。利息の削減額は、ほぼ必ず期間短縮型のほうが大きくなります。残高が減っている期間が長いためです。

      それでも返済額軽減型を選ぶ理由はあります。毎月の負担が下がるので、収入が不安定な時期の備えになるからです。手元に資金を残せるという点で、繰上返済そのものを見送る判断も含めて検討すべきところです。

      また、住宅ローン控除を受けている期間の繰上返済は、慎重に。控除額は年末の借入残高に応じて決まるため、残高を減らすと控除も減ります。金利より控除率のほうが高い場合、繰上返済が損になることがあります。

      返済負担率について

      年収に占める年間返済額の割合です。金融機関の審査ではおおむね30〜35%が上限とされることが多く、それを超えると借入が難しくなります。

      ただし審査基準と、実際に無理なく返せる水準は別です。手取りベースで考えると、25%を超えたあたりから生活の自由度が下がります。審査に通る額と、返せる額を混同しないでください。

      預金の実質価値

      利息には20.315%が源泉徴収されます。さらに、物価が上がれば同じ金額で買えるモノは減ります。

      • 実質価値 = 税引後の元利合計 ÷ (1 + インフレ率)^年数

      年利0.89%の預金を10年、インフレ率2%の環境に置くと、通帳の残高は増えているのに、買える量は約12%減ります。「元本保証」は金額の保証であって、価値の保証ではありません。

      この計算に含めていないもの

      • 変動金利の見直し。全期間同じ金利が続く前提で計算しています
      • 住宅ローン控除、団体信用生命保険、保証料、事務手数料
      • 繰上返済の手数料、金融機関ごとの最低金額の制限
      • マル優などの非課税制度、外貨預金の為替リスク
      • うるう年の扱い、日割り計算など金融機関ごとの細かな差

      金利が0.5%違うと、総額でいくら違うか

      住宅ローンの金利は、率で聞くと差が小さく感じます。0.5%と1.0%、どちらも1%未満です。ところが35年を掛けると、金額の差は率の印象と合いません。

      3,000万円・35年・元利均等・繰上返済なしという条件で、金利だけを動かすとこうなります。

      金利毎月の返済額総返済額支払う利息
      0.5%77,876円32,707,757円2,707,757円
      0.7%80,556円33,833,618円3,833,618円
      1.0%84,686円35,567,998円5,567,998円
      1.5%91,855円38,579,239円8,579,239円
      2.0%99,379円41,739,109円11,739,109円
      2.5%107,249円45,044,397円15,044,397円

      0.5%と1.5%の差は、毎月では約14,000円です。生活の中では吸収できてしまう金額かもしれません。ところが総額では587万円違います。金利の差は、毎月ではなく総額で見ないと大きさが分かりません。

      2.5%まで上がると、支払う利息は1,504万円になります。借入額の半分です。金利が2%台の環境では、「いくら借りられるか」ではなく「いくら利息を払うことになるか」から考える必要があります。

      元利均等と元金均等、どちらを選ぶか

      同じ3,000万円・35年・1.5%で、返済方式だけを変えるとこうなります。

      初回の返済額総返済額
      元利均等91,855円38,579,239円
      元金均等108,929円37,893,750円
      差+17,074円−685,489円

      元金均等のほうが総額で約69万円少なくて済みます。元金が最初から均等に減るので、利息のかかる残高が早く小さくなるためです。ただし初回の負担が17,000円ほど重くなります。

      判断の順番はこうです。まず、元金均等の初回返済額で審査に通るか、生活が回るかを確認する。通るなら元金均等が有利です。通らない、あるいは余裕がないなら元利均等を選び、余裕ができたときに繰上返済で調整する。

      なお金利上昇局面では、もうひとつ違いがあります。元金均等には5年ルール・125%ルールが適用されないのが一般的です。金利が上がると、その分がそのまま次の返済額に乗ります。負担が後ろに送られない代わりに、毎月の引き落としに直接出ます。この仕組みは日銀が動いてから返済額が変わるまでで整理しています。

      繰上返済は、いつ、いくら入れるか

      繰上返済の効果は、入れる時期が早いほど大きくなります。残高が大きいうちに元金を減らすほど、そこから先の利息が減るためです。

      3,000万円・35年・1.5%のローンを組み、5年後に200万円を期間短縮型で入れた場合を見ます。5年後の残高は約2,662万円、残期間は360か月です。

      • 200万円を入れると、残期間が約33.5か月短縮されます
      • その33.5回分の返済額に相当する約307万円を払わずに済みます
      • 投じた200万円に対して、107万円の効果です

      同じ200万円を返済終盤の30年目に入れても、残高が小さいので短縮できる期間はわずかです。繰上返済は「余裕ができたら」ではなく「早いうちに」が原則になります。

      ただし、早ければ早いほどよいとも言い切れません。住宅ローン控除を受けている期間は残高が減ると控除額も減りますし、繰上返済に回した資金は引き出せなくなります。団信の保障もその分だけ消えます。この判断は利息の削減額だけでは決まりません。何を揃えて比べるべきかは、繰上返済と投資、どちらが効率的かにまとめています。

      借換えを検討する目安

      実務では、次の3つがすべて当てはまるときに借換えの効果が出やすいとされています。

      • ローン残高が1,000万円以上
      • 残りの返済期間が10年以上
      • 金利差が1%以上

      これは経験則であって、基準ではありません。実際には諸費用との差引きで判断します。借換えには、事務手数料、保証料、登記費用、印紙税などがかかり、合計で数十万円になることが珍しくありません。削減できる利息がこれを上回らなければ、手間をかける意味がありません。

      このツールで、現在の条件と借換え後の条件をそれぞれ計算し、総返済額の差から諸費用を引いてみてください。差引きで100万円を超えるようなら、動く価値があります。

      あわせて確認したいのが、団体信用生命保険の内容と、住宅ローン控除の残期間です。借換えによって団信の保障範囲が変わることがありますし、借換え後のローンが控除の要件を満たさない場合もあります。金額だけで決めないでください。

      返済負担率は、審査基準と生活実感が違う

      返済負担率は、年収に占める年間返済額の割合です。金融機関の審査では、おおむね30〜35%が上限とされることが多くなっています。

      ただしこの数字は「額面年収」に対する割合です。実際に返済に充てられるのは手取りです。年収500万円なら手取りは約390万円で、額面ベースで25%の返済額は、手取りベースでは32%になります。

      さらに、住宅ローン以外にも住居費はかかります。固定資産税、修繕積立金、管理費、火災保険、修繕費。マンションなら管理費と修繕積立金で月2〜3万円は見ておく必要があります。

      審査に通る額と、無理なく返せる額は別物です。手取りベースで25%を超えたあたりから、生活の自由度がはっきり下がります。自分の手取りと、その1時間あたりの価値を確認したい場合は時給計算のものさしで出せます。返済額が労働何時間分にあたるかで見ると、額面の割合とは違う実感が得られます。

      実務メモ|金融機関側から見た「返せる人」

      金融機関で法人向けの仕事をしていた頃、住宅ローンの審査部門の判断も間近で見てきました。返済が滞る人と滞らない人の差は、年収の多寡ではありませんでした。

      滞らない人に共通していたのは、次のような点です。

      • 借入額を、借りられる上限ではなく返せる額から決めている。審査で通った満額を借りない
      • ボーナス返済に依存していない。賞与は業績で変動するのに、返済計画に組み込んでしまうと逃げ場がなくなります
      • 手元資金を残している。頭金を入れすぎて預金が底を尽くと、想定外の支出で一気に苦しくなります
      • 固定資産税や修繕費を、住居費として最初から計算に入れている

      逆に危ういのは、金利が上がることを一度も計算していないケースでした。変動金利を選ぶこと自体は合理的な判断ですが、上がったときにいくらになるかを一度も出していないと、実際に上がったときに打ち手を考える時間がありません。

      このツールで、いまの金利に0.5%、1.0%を足した場合の返済額と総額を出しておいてください。その金額を見ても大丈夫だと思えるなら、その借入は無理をしていません。

      ご利用にあたって

      算出される金額は一般的な計算式による概算であり、金融機関が提示する返済額・受取額とは異なります。実際の契約条件、手数料、保証料、税制優遇の適用可否により結果は変わります。

      税率20.315%は2026年8月時点の一般的な税率です。税制改正の可能性があります。借入・預入の判断にあたっては、必ず金融機関の提示条件をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本ツールの利用により生じたいかなる損害についても、作成者は責任を負いかねます。